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東京地方裁判所 昭和62年(む)855号 決定

主文

本件準抗告を棄却する。

理由

一  本件準抗告の申立の趣旨及び理由は、別紙弁護人作成の準抗告申立書記載のとおりである。

二  そこで、調査をすると、本件勾留の裁判については、昭和六二年一〇月二四日、同一申立人から東京地方裁判所に対し、本件と同一の趣旨の裁判を求める準抗告の申立がなされ、同裁判所は、同月二五日、右準抗告申立を棄却する決定をしたことが明らかである。そうすると、本件申立は、再度の準抗告申立として不適法であるから、その理由の有無について判断するまでもなく棄却を免れない。

なお、本件申立の理由中には、本件勾留の裁判後捜査が進捗したことから被疑者に罪証隠滅のおそれがなくなったかのように主張する部分があるが、この部分は、勾留の取消を請求する理由としてはともかく、勾留の裁判に対する準抗告申立の理由にはなり得ない。

よって、刑事訴訟法四三二条、四二六条一項により、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 香城敏麿 裁判官 出田孝一 大野勝則)

〈以下省略〉

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